この記事を書いた人:光栄水産(兵庫県赤穂市・坂越湾で牡蠣を育て、加工まで行う生産者)
朝晩の風がひんやりしてきて、揚げたての料理がうれしくなる季節です。外はサクッ、中はとろりとしたクリームコロッケを、秋のごちそうに作ってみませんか。具に牡蠣を入れると、ホワイトソースに牡蠣の旨みが溶け込んで、ひと口ごとに海の香りが広がります。
ただ、クリームコロッケは「ソースがやわらかくて丸められない」「揚げている途中で破裂した」という声が多い料理でもあります。結論からいうと、失敗しないコツは①ホワイトソースはしっかりかために炊く、②牡蠣は先に加熱し、包んだらよく冷やし固める、③衣は二度づけにして、高めの温度で短く揚げるの3つです。
この記事では、使う分だけ取り出せる冷凍むき牡蠣で作る、牡蠣のクリームコロッケの作り方とコツを紹介します。
- 材料(8個分・2〜3人分)
- 作り方
- コツ1:ホワイトソースのかたさ
- コツ2:包んで冷やし固める
- コツ3:揚げ油の温度と破裂を防ぐ方法
- よくある質問
材料(8個分・2〜3人分)
| 材料 | 分量 | メモ |
|---|---|---|
| 冷凍むき牡蠣 | 8粒前後(約100g) | 200gのパックの半量が目安 |
| バター | 40g | ソース用 |
| 薄力粉 | 50g | ソース用 |
| 牛乳 | 300ml | 冷たいままでOK |
| 玉ねぎ | 1/4個 | みじん切り |
| 塩・こしょう | 少々 | 味をみて調整 |
| 衣 | 薄力粉・溶き卵1個分・パン粉 | 二度づけするのでパン粉は多めに |
| 揚げ油 | 適量 | 鍋に3cm以上 |
ホワイトソースは、一般的なグラタン用(牛乳300mlに粉30g前後)より粉を多めにしています。これが丸めやすさと、揚げたときに形が崩れにくいかたさの土台になります。
作り方
1. 牡蠣を下ごしらえして、先に加熱する
- 冷凍むき牡蠣は商品の表示に従って解凍し、キッチンペーパーで水気をしっかりふく
- フライパンに少量の油を熱し、牡蠣を中火で焼く。中心部が85〜90℃で90秒以上になるまで加熱する(厚生労働省の目安)
- 出てきた水分はペーパーでふき取り、牡蠣を取り出して冷ます
コロッケは揚げる時間が短いので、中の牡蠣に十分な熱が届くとは限りません。先に牡蠣にしっかり火を通しておけば、揚げる工程は衣を色よく仕上げることに集中できます。水気をよくふいておくと、ソースがゆるむのも防げます。
2. ホワイトソースを作る
- 同じフライパンにバターを溶かし、玉ねぎを弱めの中火で透き通るまで炒める
- 薄力粉をふり入れ、粉っぽさがなくなるまで2分ほど炒める
- 牛乳を3回に分けて加え、そのつど木べらでよく混ぜてなめらかにする
- ふつふつしてきたら弱火にし、底からかき混ぜながら木べらで線が書けるくらいまで煮詰める。塩・こしょうで味をととのえる
3. 冷やし固める
- バットにラップを敷いてソースを平らに広げ、表面にもラップをぴったりかける
- 粗熱がとれたら冷蔵庫で2時間以上冷やす
4. 包んで、衣をつけて揚げる
- ソースを8等分し、手に薄く油をつけて広げ、牡蠣を1粒ずつのせて包み、俵形にととのえる
- 薄力粉→溶き卵→パン粉の順につけ、もう一度溶き卵→パン粉をつける(二度づけ)
- 180℃の油で、きつね色になるまで2〜3分揚げる。網にとって油をきる
コツ1:ホワイトソースのかたさ
クリームコロッケのとろとろ感は、揚げる前のかたさとは逆の関係にあります。丸めにくいほどやわらかいソースは、揚げたときに中が流れ出しやすくなります。煮詰める目安は「木べらで鍋底に線を書くと、一瞬底が見える」くらい。冷えるとさらにかたくなるので、熱いうちは少しかためかな、と感じる程度でちょうどよくなります。
| 状態 | 見た目 | どうする |
|---|---|---|
| ゆるい | 木べらの線がすぐ消える | もう少し弱火で煮詰める |
| ちょうどよい | 線を書くと一瞬底が見える | 火を止めて冷ます |
| かたすぎる | ひとかたまりで動く | 牛乳を少しずつ足してのばす |
コツ2:包んで冷やし固める
冷やす時間が足りないと、包むときにソースが手につき、形もそろいません。冷蔵で2時間以上が目安ですが、前日に作って冷蔵庫でひと晩おくと、当日は包んで揚げるだけになるので段取りも楽です。包むときは、牡蠣がソースからはみ出さないように全体をすっぽり覆うのがポイント。牡蠣が衣に直接ふれていると、そこから水分が出て破裂の原因になります。
衣をつけたあと、揚げる前に冷蔵庫で15分ほど休ませると、衣がなじんではがれにくくなります。
コツ3:揚げ油の温度と破裂を防ぐ方法
クリームコロッケの破裂は、中のソースが温まってふくらむ前に、衣がしっかり固まっていないことで起こります。防ぐポイントは次の4つです。
- 衣は二度づけ:卵とパン粉の層が厚くなり、ソースを閉じ込める壁になる
- 油は180℃と高めに:衣を短時間で固める。菜箸を入れて、細かい泡が勢いよく出るくらいが目安
- 一度にたくさん入れない:油の温度が下がるので、鍋の表面の半分くらいまで
- 色がついたらすぐ上げる:中の牡蠣は加熱済み。長く揚げるほど破裂しやすくなる
揚げている間はあまり触らず、片面が色づいてから一度だけ返しましょう。牡蠣の揚げものの基本は、王道カキフライレシピや、衣の違いを解説したフライとフリットの違いもあわせてどうぞ。
よくある質問
Q. 前日に作っておけますか?
A. ホワイトソースまでなら前日に作って冷蔵しておけます。包んで衣をつけるのは当日がおすすめです。揚げたものは冷めると衣のサクッと感が落ちるので、できれば揚げたてを。
Q. 揚げたあと、余ったら冷凍できますか?
A. 家庭で揚げたものを冷凍すると、温め直したときに衣がしんなりしやすくなります。余らない量を作るか、衣をつける前のソースの状態で早めに食べきるのがおすすめです。食べるときは中までしっかり温めてください。
Q. 油で揚げずに作れますか?
A. 同じソースと牡蠣を耐熱皿に入れ、チーズとパン粉をのせてオーブンで焼けば、牡蠣グラタンになります。作り方はクリーミーな牡蠣グラタンレシピで紹介しています。
まとめ
- 牡蠣は先に中心部85〜90℃で90秒以上加熱し、水気をふいてから包む
- ホワイトソースは粉を多めに、木べらで線が書けるかたさまで煮詰める
- 冷蔵で2時間以上冷やし固め、衣は二度づけ
- 180℃の油で2〜3分、色がついたらすぐ上げる
ひと手間かかる料理ですが、そのぶん揚げたてを割った瞬間のとろりとしたソースは格別です。牡蠣が恋しくなる秋の入り口に、ぜひ作ってみてください。
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出典:厚生労働省「ノロウイルスに関するQ&A」(加熱の目安)。分量・冷やす時間・揚げ時間は家庭での調理の目安です。鍋や火力によって変わります。冷凍むき牡蠣の解凍方法・保存方法・期限は商品表示に従ってください。
※画像はイメージです