この記事を書いた人:光栄水産(兵庫県赤穂市・坂越湾で牡蠣を育て、加工まで行う生産者)
坂越の牡蠣とは、兵庫県赤穂市坂越(さこし)の坂越湾で育つ牡蠣のことです。光栄水産は、この坂越湾で牡蠣を育て、水揚げから加工・出荷までを自社で行っています。
「坂越ってどこ?なんて読むの?」「坂越の牡蠣はいつが旬?」「赤穂の牡蠣とは違うの?」――そんな疑問をお持ちの方に向けて、この記事では、坂越湾の環境、坂越の牡蠣の育て方と旬、出荷までの流れ、食べ方、通販での買い方までを、生産者の立場からひとつにまとめました。気になるところから読んでみてください。
- 坂越(さこし)はどこ?赤穂市坂越の場所と読み方
- 坂越湾とは?坂越の牡蠣を育てる海の環境
- 坂越の牡蠣の特徴と育て方
- 坂越の牡蠣の旬と出荷時期
- 坂越の牡蠣が出荷されるまで(活かし込み・浄化)
- 坂越の牡蠣のおいしい食べ方
- 坂越の牡蠣を買うには
- よくある質問(坂越の牡蠣・赤穂の牡蠣)
坂越(さこし)はどこ?赤穂市坂越の場所と読み方
読み方は「さこし」
「坂越」は「さこし」と読みます。初めて見た方には「さかごえ」「さかこし」と読まれることも多い地名です。ちなみに「牡蠣」も、漢字だけでは読みにくい言葉のひとつ。読み方から始まる牡蠣の話は、それ、なんて読むの? から始まる牡蠣のはなし。で紹介しています。
赤穂市坂越は、瀬戸内海に面した港町
坂越は、兵庫県の西の端にある赤穂市の東部に位置する地区です。瀬戸内海に面した坂越湾を抱え、古くから港町として栄えてきました。湾に面した町並みには、昔ながらの家並みが残り、大避(おおさけ)神社の秋祭り「坂越の船祭り」でも知られています。
赤穂市といえば、塩づくりの歴史でも知られるまち。塩のまちの海で育つ牡蠣の話は赤穂の塩と牡蠣|塩のまちの海で育つ牡蠣を、塩で味わうで、坂越の町並みの楽しみ方は坂越って知ってる?牡蠣とレトロが詰まった秘密の港町で紹介しています。
坂越湾とは?坂越の牡蠣を育てる海の環境
坂越湾は、周りを山と島に囲まれた、波のおだやかな湾です。牡蠣は、海水を吸い込んで、その中のプランクトンなどをこし取って食べて育ちます。人がえさを与えるのではなく、海そのものの力で育つため、どんな海で育つかがとても大切です。
清流・千種川(ちくさがわ)から流れ込む山の養分
坂越湾には、宝珠山・茶臼山のふもとを流れる清流、千種川から養分が流れ込みます。山に降った雨が森の土にしみこみ、川となって海へ届く。その養分が植物プランクトンを育て、プランクトンを食べて牡蠣が育つ――山から海へのつながりが、坂越の牡蠣を支えています。詳しくは山の日の由来と、山と海のつながり|千種川と坂越湾の牡蠣で紹介しています。
国の天然記念物「生島(いきしま)」の樹林
坂越湾に浮かぶ生島は、大避神社の神域として、また魚つき保安林として、昔から人の立ち入りが禁じられてきた島です。島をおおう樹林は、国の天然記念物に指定されています。「魚つき保安林」とは、森が海の生き物のすみかを守るはたらきに注目して指定される森林のこと。坂越湾は、千種川と生島の両方から養分が流れ込む天然の良港です。
山と島に囲まれた、おだやかな湾
坂越湾は周りを山と島に囲まれていて、波がおだやかです。湾に浮かぶ生島は、潮の流れを調整する役割も果たしています。おだやかな湾の中で、牡蠣は海の養分を取り込みながら、ゆっくりと身を太らせていきます。
坂越の牡蠣の特徴と育て方
坂越湾では、光栄水産も2つの方法で牡蠣を育てています。
| 育て方 | どんな方法? |
|---|---|
| 垂下(すいか)式 | 海に浮かべたいかだから縦にロープをつるし、牡蠣を育てる従来からの方法。冬の真牡蠣はこの方法で育てています |
| シングルシード+バスケット養殖(赤穂クリスタルブラン・赤穂クリスタル) | 一つの殻に一粒ずつ育つ牡蠣の赤ちゃん(シングルシード)を、専用のバスケットに入れ、波で転がしながら育てる方法 |
冬の真牡蠣は、いかだから吊るす垂下式
冬の真牡蠣「坂越の生かき」は、昔から各地で行われている垂下式で育てています。いかだからつるしたロープで、湾の海水にじっくり浸かりながら育ちます。
一粒ずつ育てる「シングルシード+バスケット養殖」(赤穂クリスタルブラン・赤穂クリスタル)
シングルシードは、一つの殻に一粒の幼生を付けて育てる方法で、光栄水産では夏の真牡蠣「赤穂クリスタルブラン」と春の岩牡蠣「赤穂クリスタル」をこの方法で育てています。光栄水産では約4mmの大きさから育て始めます。専用のバスケットに入れた牡蠣は、波に揺られてかごの中で転がり、牡蠣同士がぶつかり合います。この刺激で旨みが凝縮し、貝柱が太くなると私たちは考えています。成長に合わせてバスケットを何度も入れ替え、海水温や潮のようすを見て漁場を移動しながら育てます。
バスケット養殖の仕事はバスケット養殖とは?牡蠣を育てる夏の海と生産者の仕事で、小さな牡蠣の赤ちゃん(種苗)の話は牡蠣の種苗とは?一粒の小さな牡蠣から育つまでの話を生産者が解説で詳しく紹介しています。
季節ごとの坂越の牡蠣
| 名前 | どんな牡蠣? |
|---|---|
| 坂越の生かき | 冬の真牡蠣。殻付きの生牡蠣として出荷 |
| 赤穂クリスタルブラン | 夏の真牡蠣 |
| 赤穂クリスタル | 春の岩牡蠣。現在生産を休止中 |
夏の真牡蠣にまつわる話は、三倍体の牡蠣とは?夏の真牡蠣の身がやせにくいと言われる理由でも紹介しています。
坂越の牡蠣の旬と出荷時期
真牡蠣は、一般に水温が下がる秋から冬にかけて身が太り、旨みがのってくるとされています。坂越の生の牡蠣も、冬から春にかけてが中心です。
| 商品 | 例年の時期(目安) |
|---|---|
| 生鮮のむき牡蠣 | 11月中旬ごろ〜4月下旬ごろ |
| 殻付きの「坂越の生かき」 | 12月中旬ごろ〜5月中旬ごろ |
| 冷凍品(冷凍むき牡蠣など。冷凍殻付き牡蠣は現在品切れ) | 通年(製造は主に春) |
| 加工品(缶詰・かき飯の素など) | 通年 |
牡蠣は海で育つ生きものなので、出荷の始まりや終わりは、その年の海の状況によって前後することがあります。最新の販売情報は、通販サイトのお知らせ・商品ページでご案内しています。
生の牡蠣の時期と、むき身・殻付きの選び方は冬の生牡蠣はいつから?坂越の生かき・むき身の例年の時期と楽しみ方で、坂越の真牡蠣の一年の流れは立秋の旬の食材と牡蠣のはなし|暦の上の秋と坂越の真牡蠣の一年で紹介しています。
冷凍品は、春にまとめて製造し、一年を通してお届けしています。冷凍品は、冷凍加工場で速やかに「プロトン凍結」という急速冷凍で凍らせています。氷の結晶を大きくしにくい凍らせ方で、解凍後も食感と旨みが戻りやすいのが特徴です。
坂越の牡蠣が出荷されるまで(活かし込み・浄化)
坂越の牡蠣は、坂越の出荷規定に基づいて出荷しています。光栄水産の殻付き牡蠣は、次のような流れで皆さまのもとへ届きます。
| 工程 | 内容 |
|---|---|
| 1. 水揚げ・水洗い | 海から引き上げた牡蠣を、コンベアで水洗いしながら加工場へ |
| 2. 選別 | コンベアの上で、形の整った牡蠣を選ぶ |
| 3. 付着物の除去 | 殻についた付着物を落とす |
| 4. 活かし込み | 丸い専用のカゴに入れて海へ戻し、ひと潮(約14日)以上かけて身を太らせる |
| 5. 水揚げ・洗浄 | もう一度水揚げして洗う |
| 6. 浄化 | 紫外線殺菌海水で22時間以上浄化する |
| 7. 梱包・出荷 | 生の殻付き牡蠣として出荷、または冷凍殻付き牡蠣に加工 |
活かし込みは、付着物を落とすときに殻に刺激を受けた牡蠣が殻を修復しようとし、その結果身入りが良くなる、という考え方にもとづく工程です。浄化は、きれいにした海水の中で牡蠣を過ごさせ、海水を吸ったり吐いたりする牡蠣自身の働きで、体の中のものを外へ出させる工程です。くわしくは牡蠣の「浄化」とは?殻付き牡蠣が出荷前に通る工程と時間で紹介しています。
むき牡蠣は、水揚げのあと一粒ずつ殻をむき、紫外線殺菌海水で洗浄してから、サイズごとに選別して出荷しています。
なお、浄化をしたからといって、牡蠣の中の微生物がすべてなくなるわけではありません。商品に書かれた「生食用」「加熱用」の表示と、保存方法・期限を必ず守ってお召し上がりください。
坂越の牡蠣のおいしい食べ方
生で味わう
生で食べるときは、必ず「生食用」の表示を確認し、表示の期限内に、表示どおりの保存方法で保存したものを召し上がってください。体調がすぐれないときや、生ものが気になる方は、加熱してお召し上がりください。
焼き牡蠣・蒸し牡蠣で
殻付きの牡蠣は、殻ごと焼いたり蒸したりすると、牡蠣から出る汁ごと味わえます。殻を開けるときは、刃の短いカキナイフと軍手を使いましょう。開け方は「殻付き牡蠣の開け方」完全ガイド〜初心者でも失敗しないコツ、食べ方の違いは生牡蠣・蒸し牡蠣・焼き牡蠣、何が違う?食べ方別おいしさの秘密で紹介しています。
鍋・フライ・炊き込みごはんに
むき牡蠣は、殻をむく手間がなく、鍋・カキフライ・炒め物・炊き込みごはんにすぐ使えます。加熱して食べるときは、中心部が85〜90℃で90秒以上になるまで加熱するのが目安です(厚生労働省)。
開けるだけ・炊くだけの加工品で
坂越産の牡蠣を使った自社加工品「缶詰とごはんのおとも」なら、料理の手間をかけずに牡蠣を楽しめます。缶詰は開けるだけで一品に、かき飯の素はお米と一緒に炊くだけで、かきご飯ができあがります。
坂越の牡蠣を買うには
坂越の牡蠣は、光栄水産の公式オンラインストアでお求めいただけます。生の牡蠣の販売時期や受付の方法は、その年の状況に合わせて、通販サイトのお知らせ・商品ページでご案内しています。通年でお届けできる冷凍品・加工品は、次のとおりです。
- 冷凍むき牡蠣200g:冷凍のむき牡蠣。賞味期限は18か月で、使う分だけ取り出せる。鍋・炒め物・炊き込みごはんに
- かきの佃煮・かきのオリーブオイル煮:坂越湾の牡蠣を使った加工品。開けてすぐ一品に
- 牡蠣の缶詰4種ギフトボックス:醤油煮・アヒージョ・ラー油・コンフィの4種が1缶ずつ。常温で保存でき、贈り物にも
- かき飯の素:坂越産のかきが入った炊き込みごはんの素。お米と一緒に炊くだけ
税抜10,000円以上のご購入で送料無料です。発送の目安・休業日・配送については、ご利用ガイドでご確認ください。
坂越の牡蠣を、食卓や贈り物に
【かきの佃煮】ごはんのおともに/【牡蠣の缶詰4種ギフトボックス】醤油煮・アヒージョ・ラー油・コンフィ各1缶
よくある質問(坂越の牡蠣・赤穂の牡蠣)
Q. 坂越牡蠣とは何ですか?
A. 兵庫県赤穂市坂越(さこし)の坂越湾で育つ牡蠣のことです。「坂越かき」「坂越の牡蠣」とも呼ばれます。坂越湾は、千種川と生島の両方から養分が流れ込む、山と島に囲まれたおだやかな湾です。
Q. 坂越の牡蠣の時期はいつですか?
A. 例年、生鮮のむき牡蠣が11月中旬ごろ〜4月下旬ごろ、殻付きの「坂越の生かき」が12月中旬ごろ〜5月中旬ごろが目安です。その年の海の状況によって前後することがあります。冷凍品・加工品は一年を通してお届けしています。
Q. 赤穂の牡蠣と坂越の牡蠣は違うのですか?
A. 坂越は赤穂市の中の地区で、坂越湾も赤穂市にあります。赤穂市で育つ牡蠣は「赤穂の牡蠣」「赤穂かき」と呼ばれることがあり、坂越の牡蠣は、その中でも坂越湾で育った牡蠣を、湾の名前で呼んだものです。光栄水産が自社で育てている牡蠣は、坂越湾で育てています。
Q. 坂越の牡蠣は、どうやって育てているのですか?
A. 冬の真牡蠣はいかだから吊るす垂下式で育てています。赤穂クリスタルブラン・赤穂クリスタルは、一粒ずつ育てる「シングルシード+バスケット養殖」で育てています。殻付き牡蠣は、出荷前にひと潮(約14日)以上の活かし込みと、紫外線殺菌海水で22時間以上の浄化を行います。
Q. 岩牡蠣「赤穂クリスタル」は買えますか?
A. 春の岩牡蠣「赤穂クリスタル」は、現在生産を休止中です。
Q. 冷凍の牡蠣は生で食べられますか?
A. 冷凍殻付き牡蠣は生食用です。冷凍むき牡蠣は用途を決めつけず、袋の表示に沿ってお使いください。解凍の方法・保存方法・期限も、商品の表示に従ってください。
まとめ
- 坂越の牡蠣は、兵庫県赤穂市坂越(さこし)の坂越湾で育つ牡蠣
- 坂越湾は、千種川と国の天然記念物・生島の樹林から養分が流れ込む、山と島に囲まれたおだやかな湾
- 冬の真牡蠣は垂下式、赤穂クリスタルブラン・赤穂クリスタルはシングルシード+バスケット養殖で育てている
- 生の牡蠣は例年、むき身が11月中旬ごろ〜4月下旬ごろ、殻付きが12月中旬ごろ〜5月中旬ごろ。冷凍品・加工品は通年
- 殻付き牡蠣は、ひと潮(約14日)以上の活かし込みと、紫外線殺菌海水で22時間以上の浄化を経て出荷
- 最新の販売情報は、通販サイトのお知らせ・商品ページでご案内
山と海に育まれた坂越湾の景色を思い浮かべながら、坂越の牡蠣を味わってみてください。
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出典:光栄水産の会社資料(坂越湾の環境、養殖方法、生鮮品の例年の時期、活かし込み・浄化の工程、冷凍の方法)、厚生労働省「ノロウイルスに関するQ&A」(加熱の目安)。牡蠣の旬の説明は一般的な説明です。生鮮品の時期は目安で、その年の海の状況によって変わります。発送の目安・休業日はご利用ガイドを、保存方法・期限は各商品の表示をご確認ください。
※画像はイメージです