牡蠣の産地はどこが多い?都道府県別の生産量の見方|2024年統計

この記事を書いた人:光栄水産(兵庫県赤穂市・坂越湾で牡蠣を育て、加工まで行う生産者)

牡蠣の季節が近づくと、スーパーや通販で「広島県産」「宮城県産」「岡山県産」など、さまざまな産地の表示を見かけるようになります。では、日本で牡蠣がたくさん育てられているのはどこなのでしょうか。

結論からいうと、国の統計(農林水産省「漁業・養殖業生産統計」)で最新の2024年(令和6年)の数字を見ると、養殖の牡蠣(かき類)の収獲量は全国で148,149トン。都道府県別では広島県が94,290トンで全国の約6割を占め、宮城県、岡山県、兵庫県、岩手県と続きます。

この記事では、この数字がどの統計のどの表に載っているのか、表を読むときに知っておきたいポイント、主な産地の位置を、なるべくやさしく解説します。

  • 牡蠣の生産量はどの統計で調べる?
  • 2024年の都道府県別の収獲量
  • 統計を読むときの4つのポイント
  • 主な産地の地域
  • よくある質問

牡蠣の生産量はどの統計で調べる?

牡蠣の生産量は、農林水産省が毎年まとめている「漁業・養殖業生産統計」で調べられます。もとになっているのは「海面漁業生産統計調査」という国の調査で、数字は政府統計の総合窓口e-Statで誰でも見ることができます。

e-Statで探すときは、次の順にたどると見つけやすくなります。

  1. e-Statで「海面漁業生産統計調査」を探す
  2. 調べたい年(例:令和6年)の「確報」を選ぶ
  3. 「海面養殖業の部」の中の「都道府県別統計」を開く
  4. 「かき類、のり類収獲量(種苗養殖を除く。)」の「かき類」の表を見る

統計では、とった量を「漁獲量」、養殖で育てたものを取り上げた量を「収獲量」と書き分けています。牡蠣は養殖が中心なので、「海面養殖業の部」にある「収獲量」を見るのがポイントです。

2024年の都道府県別の収獲量

令和6年(2024年)の確報から、暦年(1〜12月)の収獲量が多い順に5つの都道府県を並べると、次のとおりです。

順位都道府県収獲量(トン)全国に占める割合
1広島94,290約64%
2宮城15,190約10%
3岡山14,671約10%
4兵庫7,348約5%
5岩手5,058約3%
全国計148,149100%

※暦年(1〜12月)の収獲量。割合は全国計に対する割合を四捨五入した参考値。

広島県が全国の約6割と、ほかを大きく引き離しています。2位以下は宮城県・岡山県がそれぞれ1割ほどで続き、上位5つの都道府県で全国の9割を超えます。

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統計を読むときの4つのポイント

1. 「暦年」と「養殖年」の2つの数字がある

かき類の表には、暦年(1〜12月)の収獲量と、養殖年(前年7月〜その年の6月)の収獲量が並んでいます。養殖年で見ると、秋から翌年の春にかけてのひと冬を、年をまたがずに1つの数字として見ることができます。

暦年(2024年1〜12月)養殖年(2023年7月〜2024年6月)
全国148,149トン151,414トン
広島94,290トン94,656トン
宮城15,190トン17,252トン
岡山14,671トン13,596トン

どちらを使うかで数字が変わるので、ほかの資料と比べるときは同じ区分どうしで比べることが大切です。なお、2024年はどちらの区分で見ても、上位5つの都道府県の並びは同じでした。

2. 収獲は1〜6月に集中している

表には半期ごとの数字もあります。2024年の全国の収獲量を見ると、1〜6月が117,439トン、7〜12月が30,709トン。1年の約8割が上半期に取り上げられていて、牡蠣が冬から春にかけての食材であることが数字からも分かります。

3. 「x」や「-」の意味

表の中には、数字の代わりに「x」や「-」が入っている所があります。農林水産省の統計では、一般に「-」は該当する数字がないこと、「x」は個人や法人の秘密を守るために数字を公表していないことを表します。「x」は「とれていない」という意味ではないので注意しましょう。

4. 年によって変わる

牡蠣の収獲量は、海水温やえさの量、その年の海の状況によって変わります。ここで紹介したのは2024年の数字です。最新の数字や、ほかの年と比べたいときは、e-Statで各年の確報を確かめてください。

主な産地の地域

上位の都道府県を地図の上で見ると、大きく2つの地域に分かれます。

  • 瀬戸内海沿岸:広島県・岡山県・兵庫県。波の穏やかな内海に面した地域です
  • 三陸沿岸:宮城県・岩手県。太平洋に面した、入り江の多い地域です

このほか、北海道(3,682トン)や三重県(1,716トン)、福岡県(1,464トン)などでも牡蠣が育てられています。同じ牡蠣でも、育つ海や育て方によって大きさや味わいが違うといわれます。産地ごとの楽しみ方は、牡蠣の味はひとつじゃない!産地別食べ比べのすすめで紹介しています。

光栄水産がある兵庫県赤穂市の坂越(さこし)湾も、瀬戸内海に面した湾のひとつです。育て方についてはバスケット養殖とは?牡蠣を育てる夏の海と生産者の仕事もあわせてどうぞ。

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よくある質問

Q. 生産量が多い産地の牡蠣のほうがおいしいのですか?

A. 生産量は「どれだけ育てて取り上げたか」を表す数字で、味の良し悪しを表すものではありません。好みや料理に合わせて、いろいろな産地の牡蠣を試してみてください。

Q. 岩牡蠣も含まれていますか?

A. 表の名前は「かき類」で、種類ごとには分かれていません。種類ごとの内訳を知りたいときは、各都道府県の資料もあわせて確認してください。

Q. 2025年の数字はありますか?

A. この記事を書いた時点で確認できた確報は2024年(令和6年)の数字です。新しい年の数字は、農林水産省やe-Statの公表を確認してください。

まとめ

  • 牡蠣の生産量は、農林水産省「漁業・養殖業生産統計」(e-Stat「海面漁業生産統計調査」)の「かき類」の収獲量で調べられる
  • 2024年の全国の収獲量は148,149トン。広島県が94,290トンで約6割、宮城・岡山・兵庫・岩手と続く
  • 「暦年」と「養殖年」の2つの区分があり、比べるときは同じ区分で
  • 収獲は1〜6月に約8割が集中。「x」は秘密保護のための非公表

産地の表示を見かけたら、統計の数字を思い出してみると、牡蠣選びが少し楽しくなるかもしれません。

出典:農林水産省「令和6年漁業・養殖業生産統計」(政府統計の総合窓口 e-Stat「海面漁業生産統計調査 確報 令和6年 海面養殖業の部 1 都道府県別統計 かき類、のり類収獲量(種苗養殖を除く。) かき類」、2026年2月27日公開)。割合は同表の全国計から計算した参考値です。記号の意味は農林水産省統計の一般的な凡例によります。冷凍むき牡蠣の解凍方法・保存方法・期限は商品表示に従ってください。
※画像はイメージです