この記事を書いた人:光栄水産(兵庫県赤穂市・坂越湾で牡蠣を育て、加工まで行う生産者)
里芋がおいしくなる季節になりました。ねっとりとした里芋の煮物は秋の定番ですが、「いつも同じ味になってしまう」「もう少しごちそう感を出したい」と感じることはありませんか。
そんなときにおすすめなのが、牡蠣を加えた里芋の煮物です。牡蠣の旨みが煮汁に溶け出し、だしの味わいがぐっと深くなります。おいしく作るポイントは、里芋のぬめりを取ってから煮ることと、牡蠣は最後に入れて煮すぎないことの2つです。
十五夜(2026年は9月25日)は、里芋をお供えすることから「芋名月」とも呼ばれます。お月見の食卓にも合う、秋の煮物の作り方を紹介します。
- 牡蠣と里芋の煮物がおいしい理由
- 材料(2〜3人分)
- 里芋の下ごしらえ(ぬめり取り)
- 作り方
- だし・醤油・みりんの配合と味の調整
- よくある質問
牡蠣と里芋の煮物がおいしい理由
里芋は、それ自体の味が穏やかなぶん、煮汁の味をよく含みます。そこへ牡蠣の旨みが溶け出した煮汁がしみ込むので、里芋そのものが「牡蠣だしの味」になります。
牡蠣の側から見ても、里芋のとろりとした口当たりが、ふっくらした牡蠣の食感とよく合います。鶏肉やいかで作る里芋の煮物とはまた違う、海の香りのする秋の一品です。
材料(2〜3人分)
- 冷凍むき牡蠣 200g
- 里芋 6〜8個(約400g)
- 塩 小さじ1(ぬめり取り用)
- A だし汁 300ml
- A 酒 大さじ2
- A 砂糖 小さじ2
- B しょうゆ 大さじ1と1/2
- B みりん 大さじ1と1/2
- しょうが(せん切り) 1かけ分
- ゆずの皮・木の芽・小ねぎなど 適量(あれば)
里芋の下ごしらえ(ぬめり取り)
里芋のぬめりは、煮汁をにごらせたり、味のしみ込みを悪くしたりする原因になります。少しのひと手間で、仕上がりが変わります。
- 里芋は泥をよく洗い流し、表面を乾かしてから皮をむく(乾いた状態のほうが手がかゆくなりにくいといわれます)
- 大きいものは半分に切る。大きさをそろえると、煮え方がそろう
- ボウルに入れて塩をふり、手でもみ込む。ぬめりが出てきたら水で洗い流す
- 鍋にたっぷりの水と里芋を入れて火にかけ、沸騰してから3〜4分下ゆでする。ざるにあげて、表面のぬめりを水で洗う
時間がないときは、冷凍の里芋を使っても作れます。その場合は、ぬめり取りと下ゆでを省き、凍ったまま煮汁に入れてください。
作り方
- 牡蠣の下ごしらえ:冷凍むき牡蠣は商品の表示に従って解凍し、キッチンペーパーで水気をふく
- 里芋を煮る:鍋にAと下ゆでした里芋を入れて中火にかける。煮立ったら落としぶたをして弱めの中火で10分ほど煮る
- 味つけ:Bとしょうがを加え、さらに10分ほど煮る。里芋に竹串がすっと通ればOK
- 牡蠣を加える:煮汁が煮立っているところに牡蠣を入れ、ふたをせずに煮る。牡蠣の中心部が85〜90℃で90秒以上になるまで加熱する(厚生労働省の目安)
- 味を含ませる:火を止め、そのまま10分ほど置いて味をなじませる。食べる直前に軽く温め直し、器に盛ってゆずの皮などを添える
おいしく作るコツ
牡蠣は「最後に入れて、煮すぎない」
牡蠣を里芋と一緒に最初から煮ると、身が縮んで固くなってしまいます。里芋がやわらかくなってから加え、中心まで火が通ったら火を止めるのがコツです。身がふっくらとふくらみ、中まで色が変わったら加熱できたサイン。大きな粒は半分に切って確かめましょう。
火を止めてから「置く」時間で味がしみる
煮物は、冷めていくときに味がしみ込みます。牡蠣を長く煮る代わりに、火を止めてから置く時間をとることで、牡蠣はふっくら、里芋にはしっかり味がしみた仕上がりになります。
煮汁は少し残して、とろりと
里芋から出るとろみで、煮汁は自然にとろりとします。器に盛るときに煮汁を少しかけると、つやが出ておいしそうに見えます。
だし・醤油・みりんの配合と味の調整
この記事の配合は、だし300mlに対してしょうゆ:みりん=1:1(各大さじ1と1/2)、砂糖小さじ2の、ほっとする甘辛味です。牡蠣にも塩けがあるので、しょうゆは控えめにしています。
| 好み | 調整のしかた |
|---|---|
| あっさり上品に | しょうゆを薄口しょうゆに替え、砂糖を省く。色が淡く仕上がる |
| 甘めでしっかり | 砂糖を大さじ1に増やし、最後に煮汁を少し煮詰める |
| 香りよく | しょうがを多めに。仕上げにゆずの皮をのせる |
| みそ風味に | Bのしょうゆを大さじ1に減らし、みそ大さじ1を溶き入れる |
味見は、牡蠣を入れる前にするのがおすすめです。牡蠣の旨みが加わると味がまとまるので、入れる前は「少しもの足りない」くらいでちょうどよくなります。牡蠣とだしの関係については、身より先に、おいしくなる牡蠣の出汁でも紹介しています。
よくある質問
Q. 作り置きできますか?
A. 作った日に食べきるのがおすすめです。残った場合は、粗熱をとってから冷蔵庫に入れ、早めに食べてください。温め直すときは、中心までしっかり加熱しましょう。
Q. 里芋の代わりに、ほかの芋でも作れますか?
A. じゃがいもでも作れます。じゃがいもは煮くずれしやすいので、大きめに切り、煮る時間を短めにしてください。
Q. 牡蠣は解凍せずに入れてもいいですか?
A. 凍ったまま入れると煮汁の温度が下がり、水分が出て味も薄まりやすくなります。商品の表示に従って解凍してから使い、中心部までしっかり加熱してください。
まとめ
- 牡蠣の旨みが煮汁に溶け出し、里芋が「牡蠣だしの味」になる
- 里芋は塩もみと下ゆででぬめりを取ると、煮汁がにごらず味がしみやすい
- 牡蠣は最後に入れ、中心部85〜90℃で90秒以上を目安に加熱。煮すぎないのがコツ
- だし300mlに、しょうゆ・みりん各大さじ1と1/2、砂糖小さじ2が基本の配合
十五夜の準備や行事の意味は、十五夜2026はいつ?9月25日のお月見に用意したい料理と飾りでまとめています。お月見の夜に、牡蠣と里芋の煮物を添えてみてください。
出典:厚生労働省「ノロウイルスに関するQ&A」(加熱の目安)。分量・煮る時間は家庭での調理の目安です。解凍の方法・保存方法・期限は、冷凍むき牡蠣の商品表示に従ってください。
※画像はイメージです