牡蠣の栄養を数字で見る|100gあたりの亜鉛・鉄・ビタミンB12

この記事を書いた人:光栄水産(兵庫県赤穂市・坂越湾で牡蠣を育て、加工まで行う生産者)

「牡蠣には亜鉛が多いと聞くけれど、実際どれくらい入っているの?」「1粒食べると、どのくらいになるの?」──牡蠣の栄養について、こんな疑問を持ったことはありませんか。

結論からいうと、文部科学省の「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」では、かき(養殖・生)の可食部100gあたり、亜鉛14.0mg、鉄2.1mg、ビタミンB12 23.0μgと示されています。エネルギーは58kcalです。

この記事では、成分表の数字の読み方と、1粒あたりの量を自分で計算する方法を紹介します。体への働きをうたうのではなく、「どれだけ含まれているか」という量の事実として、わかりやすく整理しました。

  • 日本食品標準成分表とは?
  • 牡蠣(養殖・生)100gあたりの成分
  • 1粒あたりはどれくらい?計算のしかた
  • 数字を読むときの3つの注意
  • 牡蠣を食卓に取り入れるアイデア
  • よくある質問

日本食品標準成分表とは?

日本食品標準成分表(以下、成分表)は、文部科学省が公表している、日本でふだん食べられている食品の成分をまとめたデータです。学校給食や病院の献立、家庭の栄養計算など、さまざまな場面で使われています。

成分表の値は、食品の「可食部(食べられる部分)100gあたり」で示されています。牡蠣の場合は殻を除いた身の部分です。また、同じ牡蠣でも「生」と「加熱したもの」では値が変わるため、どの項目の数字かを確かめて読むことが大切です。

この記事で使うのは「かき 養殖 生」の値です。

牡蠣(養殖・生)100gあたりの成分

成分表(八訂)増補2023年の「かき 養殖 生」の主な値は、次のとおりです。

成分可食部100gあたり
エネルギー58kcal
たんぱく質6.9g
脂質2.2g
炭水化物4.9g
亜鉛14.0mg
鉄2.1mg
ビタミンB1223.0μg
食塩相当量1.2g

単位にも注目してください。亜鉛と鉄は「mg(ミリグラム)」、ビタミンB12は「μg(マイクログラム)」です。1mgは1,000μgなので、同じ「数字」でも単位が違えば量はまったく違います。数字を比べるときは、単位をそろえて見るのがコツです。

また、牡蠣は「海のミルク」と呼ばれることがありますが、100gあたり58kcalという数字を見ると、エネルギーは控えめな食品だということもわかります。

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1粒あたりはどれくらい?計算のしかた

「1粒あたり」の量は、牡蠣の身の重さによって変わります。牡蠣は大きさに個体差があり、季節や産地、加工の方法によっても身の重さが違うため、「1粒=◯mg」とひとつに決めることはできません。

そこで、自分で計算する方法を覚えておくと便利です。計算式はとてもシンプルです。

100gあたりの値 × 身の重さ(g) ÷ 100

たとえば、仮に身の重さが10gの牡蠣なら、100gの1/10なので次のようになります。

成分10gあたり(計算例)50gあたり(計算例)
エネルギー約5.8kcal29kcal
たんぱく質約0.7g約3.5g
亜鉛1.4mg7.0mg
鉄約0.2mg約1.1mg
ビタミンB122.3μg11.5μg

※表は成分表の「かき 養殖 生」の値から、重さに比例させて計算した例です。実際の牡蠣の身の重さ・成分とは異なります。

家で量りたいときは、キッチンスケールに器をのせて目盛りを0にし、むき身を数粒のせて重さを量り、粒の数で割ると1粒の平均の重さがわかります。お子さんと一緒に計算してみるのも、ちょっとした食育になります。

数字を読むときの3つの注意

注意1:「生」の値であること

ここで紹介した数字は「生」の値です。加熱すると水分が抜けるなどして、100gあたりの値は変わります。料理した牡蠣の量を考えるときは、この点を頭に入れておきましょう。

注意2:商品の栄養成分表示とは別もの

成分表の値は、食品の代表的な値です。個々の商品の栄養成分は、その商品の表示を確認してください。加工品は、調味料などが加わるため、生の牡蠣とは値が違います。

注意3:「量の事実」として読む

成分表は、食品に何がどれだけ含まれているかを示すデータです。特定の食品だけをたくさん食べるのではなく、いろいろな食品を組み合わせて、バランスのよい食事を心がけることが基本です。食事について気になることがある方は、医師や管理栄養士に相談してください。

牡蠣を食卓に取り入れるアイデア

牡蠣は、季節を問わず冷凍のむき牡蠣で楽しめます。冷凍むき牡蠣200g(生食用)なら、使う分だけ取り出して料理に使えます。

  • 牡蠣のバターしょうゆ焼き:片栗粉をまぶしてフライパンで焼くだけ
  • 牡蠣ときのこのみそ汁:秋のきのこと一緒に
  • 牡蠣の炊き込みごはん:しょうがを効かせて

加熱して食べるときは、中心部が85〜90℃で90秒以上を目安に、しっかり火を通してください(厚生労働省)。生鮮のむき牡蠣は例年11月中旬ごろからの販売です(その年の海の状況で前後します)。

加工品なら、開けてすぐ食べられる牡蠣の醤油煮(缶詰)や、要冷蔵のかきのオリーブオイル煮もあります。加工品の栄養成分は、各商品の表示を確認してください。

秋の食卓に牡蠣を

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よくある質問

Q. 1日に何個食べればいいですか?

A. 食べる量の目安は、年齢や体の状態、ほかに何を食べるかによって変わるため、この記事ではお示ししていません。いろいろな食品と組み合わせて、無理のない量で楽しんでください。

Q. 冷凍の牡蠣も同じ値ですか?

A. この記事の数字は成分表の「かき 養殖 生」の値です。冷凍品や加工品の成分は、商品ごとの表示を確認してください。

Q. 食塩相当量1.2gはなぜ?

A. 牡蠣は海で育つ貝なので、身にもともとナトリウムが含まれています。成分表ではそれを食塩に換算した値が示されています。味つけをするときは、塩分を控えめにして素材の味を生かすのもおすすめです。

まとめ

  • 成分表(八訂)増補2023年では、かき(養殖・生)100gあたり亜鉛14.0mg、鉄2.1mg、ビタミンB12 23.0μg、エネルギー58kcal
  • 1粒あたりの量は身の重さで変わる。「100gあたりの値×重さ÷100」で計算できる
  • 数字は「生」の値。加熱したものや商品の栄養成分は別に確認する
  • 栄養は「量の事実」として読み、いろいろな食品と組み合わせて楽しむ

数字を知ると、いつもの牡蠣料理が少し違って見えてきます。次に食べるときは、ぜひ重さを量って計算してみてください。

出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」(かき 養殖 生)、厚生労働省「ノロウイルスに関するQ&A」(加熱の目安)。1粒あたりの表は重さに比例させた計算例です。商品の栄養成分・保存方法・期限は各商品の表示に従ってください。
※画像はイメージです