牡蠣の貝柱はどこ?部位の名前と食感のちがいをやさしく解説

この記事を書いた人:光栄水産(兵庫県赤穂市・坂越湾で牡蠣を育て、加工まで行う生産者)

牡蠣を食べていて、「この丸くて弾力のあるところが貝柱?」「ひらひらした黒っぽい部分は何?」と気になったことはありませんか。ホタテの貝柱はよく知られていますが、牡蠣の貝柱がどこにあるのかは、意外と知られていません。

結論からいうと、牡蠣の貝柱は、身の中ほどにある、丸くて少し半透明の筋肉の部分です。殻を閉じる役目をしている筋肉で、牡蠣には貝柱が1つしかありません。

この記事では、牡蠣の部位の名前と位置、部位ごとの食感のちがい、殻を開けるときに貝柱がなぜ大切なのかを、牡蠣を育てる生産者がやさしく解説します。

  • 牡蠣の貝柱はどこにある?
  • 牡蠣の部位の名前と役割
  • 部位ごとの食感のちがい
  • 殻を開けるときは「貝柱を切る」
  • むき牡蠣で部位を見てみよう
  • よくある質問

牡蠣の貝柱はどこにある?

むき身の牡蠣を見ると、身の中ほどに、まわりより少し色が違う、丸くてしっかりした部分があります。ここが貝柱です。正式には「閉殻筋(へいかくきん)」と呼ばれ、2枚の殻を引き寄せて閉じる働きをしています。

アサリやハマグリなど多くの二枚貝には、貝柱が前後に2つあります。一方、牡蠣やホタテの貝柱は1つ。牡蠣は成長の途中で片方の貝柱がなくなり、1つの大きな貝柱で殻を閉じるようになるといわれています。

貝柱には2つの色がある

牡蠣の貝柱をよく見ると、半透明に見える部分と、白っぽく見える部分に分かれています。半透明の部分は殻をすばやく閉じるとき、白っぽい部分は殻を閉じたままの状態を保つときに働くといわれています。食べるときに、この2つの色を探してみるのも楽しみのひとつです。

牡蠣の部位の名前と役割

部位見た目・位置主な役割
貝柱(閉殻筋)身の中ほどの、丸くて弾力のある部分殻を閉じる
ひも(外套膜)身のまわりをふち取る、ひらひらした部分。ふちが黒っぽいことも殻をつくる、身を包む
えらひもの内側に重なる、ひだ状の部分呼吸し、海水からえさをこし取る
内臓(中腸腺など)身の内側の、黒っぽく見える部分えさを消化する
白くふくらんだ部分身のふくらみ。時期によって大きさが変わる栄養をたくわえる、子孫を残す準備をする

牡蠣の身の「白」と「黒」の部分のちがいは、白は甘み、黒は旨み。 牡蠣の身が教えてくれることでも紹介しています。

部位ごとの食感のちがい

一粒の牡蠣でも、部位によって食感がまったく違います。食べるときに意識してみると、牡蠣の味わいがもっと立体的に感じられます。

  • 貝柱:しっかりとした歯ごたえ。加熱すると締まって、弾力が増します
  • ひも:コリッ、シャキッとした食感。ふちの部分は香りも感じやすいところです
  • 白くふくらんだ部分・内臓:とろっとなめらか。牡蠣らしい濃い味わいを感じる部分です

加熱すると、牡蠣の身は水分が抜けて少し縮みます。貝柱は締まって弾力が出て、ひもはちぢれ、身のふくらみはふっくらとした食感に変わります。焼く・揚げる・煮るといった調理法によって、それぞれの部位の食感の出方が変わるのも、牡蠣料理のおもしろさです。

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殻を開けるときは「貝柱を切る」

殻付きの牡蠣がなかなか開かないのは、貝柱が殻をしっかり閉じているからです。つまり、殻を開けるコツは、こじ開けることではなく、貝柱を殻から切り離すことにあります。

  1. 軍手などで手を守り、平らなほうの殻を上にして持つ
  2. 殻のすき間からナイフを差し込む
  3. ナイフの刃を上の殻の内側に沿わせて動かし、貝柱を殻から切り離す
  4. 上の殻をはずしたら、下の殻についている貝柱の根元にもナイフを入れて身を外す

貝柱の位置の見当がつくと、ナイフを動かす場所が分かり、殻を開けやすくなります。くわしい手順は「殻付き牡蠣の開け方」完全ガイド〜初心者でも失敗しないコツで紹介しています。

坂越の殻付き牡蠣「坂越の生かき」の季節は、12月中旬ごろから5月中旬ごろが目安です(海の状況によって変わることがあります)。殻付きの季節に向けて、道具をそろえておくのもおすすめです。

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むき牡蠣で部位を見てみよう

殻付きの季節を待たなくても、冷凍むき牡蠣200g(生食用)なら部位の観察ができます。商品の表示に従って解凍したら、一粒を手のひらにのせて、貝柱・ひも・身のふくらみの位置を確かめてみてください。お子さんと一緒に見ると、ちょっとした自由研究のようで楽しめます。

貝柱の歯ごたえを味わうなら、片栗粉を薄くまぶしてバターで焼くソテーがおすすめです。表面に焼き色がつくと、貝柱の弾力と身のなめらかさのちがいがよく分かります。加熱するときは、中心部が85〜90℃で90秒以上を目安に、しっかり火を通してください(厚生労働省)。

光栄水産が取り入れているバスケット養殖では、かごの中で牡蠣同士がぶつかり合う刺激によって、貝柱が太くなると私たちは考えています。

よくある質問

Q. 牡蠣の黒い部分は食べても大丈夫ですか?

A. 黒っぽく見える部分は、内臓やひものふちの色で、牡蠣の身の一部です。取り除かずに、身と一緒に食べられます。

Q. 加熱すると小さくなるのはなぜですか?

A. 加熱によって身の水分が抜けるためです。強火で長く加熱しすぎると縮みやすくなるので、中心まで火が通ったら加熱をやめるのが、ふっくら仕上げるコツです。

Q. 牡蠣の貝柱だけを食べることはできますか?

A. 牡蠣の貝柱は身とつながっていて、ホタテのように大きくないため、ふつうは身と一緒に食べます。一粒の中で、部位ごとの食感のちがいを楽しんでみてください。

まとめ

  • 牡蠣の貝柱は、身の中ほどにある丸くて弾力のある部分。牡蠣の貝柱は1つ
  • 部位には、貝柱・ひも(外套膜)・えら・内臓などがあり、それぞれ食感が違う
  • 殻を開けるコツは、上の殻の内側に沿ってナイフを動かし、貝柱を切ること
  • 冷凍のむき牡蠣でも、部位の観察と食感のちがいを楽しめる

次に牡蠣を食べるときは、ぜひ「貝柱はどこかな」と探してみてください。

出典:部位の名前・働きは一般的な説明です。厚生労働省「ノロウイルスに関するQ&A」(加熱の目安)。殻付き牡蠣の時期は目安で、海の状況によって変わります。
※画像はイメージです